院長の診察日記

2014.4.14.mon
ぎっくり腰について

ぎっくり腰は<季節の変わり目に起こりやすい>と言われていますが、冬から春へと変化するこの季節、腰の痛みを抱えている方がとくに多いように感じます。

気温が低くなる冬の間に体の芯から冷え切ってしまい、その上に年度の切り替わりの時期。
心も体も休まらず、ストレスが溜まってしまいますね。追いうちをかけるように、花粉症が始まり、鼻がムズムズしてたまらないという人も。おもわず出てしまったくしゃみでぎっくり腰になったというケースも、とても多く見られます。

本来、春は桜が咲き、木々が芽吹く素敵な季節のはずなのに、腰を痛めてしまうのはとても残念ですよね。
最近の調査によると、生涯において一度以上腰痛を経験したことのある人は83.4%もいるようです。このぎっくり腰、日本だけのものではなく、欧米では「魔女の一撃」とも言われています。ふっと油断したところに、魔女の杖からの鋭い一撃。ああ、なるほどって感じですね。

そして春はお引越しの時期でもありますね。普段重いものを持ち慣れない方が、荷造りで疲れてしまっている上に、荷物がいっぱい詰まったダンボール箱を持ち上げたりして。それでぎっくり腰になってしまった、という方もいらっしゃいます。

そもそもぎっくり腰の原因は、疲労、冷え、運動不足、ストレスと言われています。それらが原因で腰の周りの血行が悪くなり、筋肉がカチカチに固まってしまったところに、ふとしたキッカケが与えられ、痛みが発症します。そのキッカケというのは、決して特別なものではなくて、くしゃみをしたり、ハンカチを拾おうとしたり、ものを持ち上げようとしたりという、日常生活のごく一般的な動作が大部分です。そんな不意のキッカケによって、腰の痛みが引き起こされるのです。

人間の背骨を横から見てみましょう。アルファベットのS字に似た曲線を描いていますね。この骨盤から垂直に伸びるS字カーブは、2本足歩行へと進化していく過程で人間だけが獲得したもの。犬や猫、チンパンジーの背骨は横向きに平行に伸びています。人間への進化の過程で、90度回転して垂直になったわけですから、問題が出てくるのはある意味仕方がないのかもしれません。

ぎっくり腰の予防法は、このS字カーブを意識して無理な体勢を補い、腰の負担を減らすことになります。例えばイスに座っているときは、タオルや柔らかいクッションなどで、腰と背もたれとの隙間を埋めてあげましょう。キッチンの流しで料理や洗い物をするときには、膝を少し曲げて上半身が前かがみの姿勢にならないようにしてあげましょう。

2013-06-13 13.59.56[600]

カテゴリー:ぎっくり腰