院長の診察日記

2016.3.10.thu
腸脛靭帯炎(ランナーズニ―)と足首の捻挫の関連

静岡マラソンに参加されたランナーの皆様お疲れさまでした。
当院にもたくさんのランナーの方が朝早くからテーピングをしに来て下さいまして、たくさんの刺激と感謝の声をいただきました。ありがとうございました。
その中でいくつか勉強になったことがありましたので、特に「腸脛靭帯炎」について自分の覚書きとしても書かせていただきます。

まず、当院に不調や不安があって来院されたランナーのほとんどが腸脛靭帯炎の主訴、もしくは既往でした。
急性症状の方も慢性症状の方もおられ、程度も様々でしたが、フルマラソンに挑戦となると、「無傷で万全の状態でレースに臨むという方は非常に少ない」というのが現実なんだなと思いました。

施術をしながら話を聞いていくと、「足首の捻挫経験がある」人が多く、なかには長く走っていくうちに膝も痛いけど、足首が不安定に感じたり、足の接地が外側のかかとからになる感じがするという人もいました。
これが腸脛靭帯炎の原因のひとつなのかもしれないと思いました。
一般的には膝の曲げ伸ばしの繰り返しで、腸脛靭帯と大腿骨外側顆との摩擦により炎症が引き起こされると言われていますが、加えて足の接地が外側になると、脚全体の外側に接地の衝撃がかかるとともにO脚傾向になり腸脛靭帯の屈曲伸展の繰り返しによる摩擦も大きくなってしまい、さらに炎症を引き起こすことになります。
また、膝の痛みに合併して、ふくらはぎの外側(下腿三頭筋の外側)やすね(前脛骨筋)の張りや痛みを感じることもあり、膝の治療はもちろん、足首、股関節あたりの治療や矯正も必要であることを教えてくれました。
足首を捻挫すると特に前距腓靭帯が損傷もしくは伸びてしまい、痛みは治っても靭帯という組織の特性上元通りには治らない為、足首の安定性が低下してしまうことが多くあります。
その為、フルマラソンという限界への挑戦ともなると、わずかな影響もコンディションに大きく作用してしまうのではないかと考えられます。
テーピングも膝の腸脛靭帯用のテーピングに加え、足首のアーチサポート、内反予防のテーピングが必要になります。

また、痛みがあるとかばいの動作が必然的に起こり、自分の気付かないうちにフォームが崩れたり、その動作が患部の上下の部位に影響を及ぼしたりして、特に腸脛靭帯炎(ランナーズニ―)の場合は足関節、股関節、臀部、ハムストリング、下腿筋に違和感や痛みを引き起こすことになります。
こうなると、複合的にいろいろな部位が痛み、走りたくても走れないという状態になってしまいます。
ですからなるべく早く、かばい動作による他部位への負担を解消させなくてはなりません。
違和感程度の症状の時に早く施術やフォームの見直しなど対策をすることが大切なのではないでしょうか。

また、シューズや練習プランについてもいろいろな方の経験談を聞くことができ、私にとってすごくいい勉強になりました。
また、皆様に還元できるよう情報を整理して発信できるように理解を深めていきたいと思います。

来年の静岡マラソンと言わず、まだ今シーズンのマラソンも残っていますので、少しでも不安や違和感をお持ちでしたら、ぜひご相談ください。

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こながや整骨院では、お一人お一人の症状に合わせた施術を行っております。
少しでも体に痛みが生じたり、不調がある場合は、お一人で悩まずにお気軽にお問合せくださいね。

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カテゴリー:スポーツ外傷・障害