院長の診察日記

2016.5.28.sat
五十肩は痛みが無くなっても完治とは言いません

中年女性に多い五十肩(四十肩も同じです)、原因は不明と言われていますが、私の経験上ではいくつかの原因があるように思います。

いくつか挙げてみると

1. 更年期障害
ホルモンバランスの崩れや代謝不全によって関節包に炎症や癒着が起こり痛みを引き起こす

 2. 腱板損傷に続発するもの
急な動作や普段動かさない動きや、加齢によって弱くなった筋肉を使うことによって腱板(インナーマッスル)という細かい筋肉を痛め、動かすと痛いので動かさないでいる為に起こる

3.石灰沈着による炎症
関節内に出血が起こりカルシウム成分が沈着して動かすと石灰化した部分が当たるので痛む

4.筋膜の癒着
首や腕などの筋肉が硬結したり、筋肉と筋膜の摩擦や癒着が起こり肩に悪影響が起こる

などが考えられます。
これらの原因を鑑別せずに治療しようとしてもなかなか良くならない為、「自然に治るまで待つ」という選択をせざるを得ない方も多いのではないでしょうか?
【2】と【4】の場合は当院でも施術することができます。

また、症状もいくつかの段階に分けられ、その状態によって施術内容を変えていかなくてはなりません。

1.何をしても痛い(安静時痛)
初期で炎症症状が強く少しの刺激でも激痛が起こる為、痛み止めの注射、消炎鎮痛剤でなどで対処し、特に積極的な施術は行わない方が良いと思います。

2.夜間痛がある
就寝時や寝返り時など、うずくような痛みがあり熟睡できないような場合は痛みをブロックするハイボルト治療や強めの超音波治療などを行い、寝姿勢の工夫などで対処できます。

3.夜間痛はないが動作時痛がある
どのような動きで痛みが出るかや硬結の具合で必要なマッサージやストレッチなどを行うことができます。

4.痛みはあまりないが可動域制限(動作制限)が残る
筋肉・筋膜や関節包の癒着や拘縮によって動きに制限が残っている場合はPNFストレッチや筋膜リリースを行うことで可動域や動きの回復を促すことができます。

五十肩は男性より女性の方が多いと言われていますが、必ずしも女性ばかりとは限りません。男性もゴルフやバレーなどで肩を少し痛めたのをきっかけにだんだん痛みが強くなり動かせない、動かないという状態になってしまう方もいます。
また、片方の肩だけでなく、しばらくしてから反対の肩も痛みが出やすい両側性の傾向もあるようです。
「自然に治るまで待つ」という方も多いですが、それだと痛みが無くなっても動きが完全に戻らないとか違和感が残ってしまうという方も少なくはありません。

当院では確実に元の動きまで回復させることができます。
また、何もしないよりは早く痛みを減少させることができます。
あきらめる前にぜひ一度、ご連絡ください。

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こながや整骨院では、お一人お一人の症状に合わせた施術を行っております。
少しでも体に痛みが生じたり、不調がある場合は、お一人で悩まずにお気軽にお問合せくださいね。

静岡の整骨院・整体・交通事故治療院
こながや整骨院
〒420-0035 静岡市葵区七間町 3-4 七間町ハイム 201
TEL/FAX 054-260-6722

カテゴリー:五十肩

2015.1.13.tue
五十肩・四十肩の改善方法

ある日、突然起こる五十肩。基本的に原因不明といわれていますが、更年期障害によるホルモンバランスの乱れが原因という説もあります。五十肩にかかって来院される男性と女性の数を比べると、女性の方が若干多いなという気がしています。

四十肩

ほてり、ホットフラッシュ、不定愁訴など、様々な更年期障害の症状がある中で、五十肩にかかると他の症状が軽くなるとも言われています。つまり、人により更年期障害の症状の出方は違っていて、ホルモンバランスが乱れる事によって、カルシウム代謝の異常や自律神経が失調してしまうなど様々なところに変化が現れます。

五十肩というのは肩周辺の筋肉や腱、関節包が固くなって、ある日突然痛みで動かなくなってしまうという症状で、期間は半年、一年、中には一年半くらいも動きにくい状態が続いてしまう方もいらっしゃいます。動きにくくなってしまったからと言って、そのまま動かさないでいると関節が固まってしまい、痛みが無くなっても可動域制限だけ残ってしまうこともありますので、当院では痛みをなるべく抑える治療と痛みが出ない範囲での運動の両方を行っています。

痛みがあるうちはどうしても肩や腕を大きく動かせなくて可動域が狭くなっていますから、痛みがないように腕や肩をだんだんと大きく動かしたり回したりして、少しずつ動かせる範囲を広げていくようにします。動かせない間にはやはり筋力が落ちていることも予想されますから、痛みが治まったら筋力を少しつけていくというトレーニングも大切ですね。

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また、時々五十肩だといって来院された方の中に、五十肩に似た症状で腱板損傷が原因で痛む方がいらっしゃいます。
腱板損傷は腱板(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)というインナーマッスルのケガ(自然発生することもあります)で「痛いけど動かせる」「腕を上げるとある範囲で痛みがひどい」というような特徴があります。
五十肩は痛くて動かせないという症状が特徴です。
ご自身で五十肩と腱板損傷どちらなのか鑑別するのは難しいかもしれませんが、どちらも治療が必要ですので、ぜひご相談ください。

年を重ねていくと、体が変わっていくことに戸惑ってしまう方もいらっしゃいますが、そういった変化は、誰にでも訪れるものです。焦らず、慌てず、その変化に向き合っていきたいですね。

*五十肩と四十肩は同じ症状のことをいいます。(年代により呼び方が変わる)

カテゴリー:五十肩, 保険施術

2014.6.30.mon
肩甲骨について

つい先日、肩(肩甲骨)が痛いという患者さんが来院されました。
暖かな季節になりますと、野球のピッチングやハンドボールのシュート、
バレーボールのアタック、テニスのサーブ、水泳など、肩を90°以上上げる動作の多いスポーツ(オーバーヘッドスポーツ)をされている方に、肩甲骨付近に痛みが出ることが多いようですね。

ランニングやゴルフといった、一見すると肩の動きとはあまり関係ないように見えるスポーツも、
実は肩関節の可動性が、スピードや飛距離に関係していたりもします。

この方は久しぶりの野球のピッチングで棘状筋を痛めたようでした
棘上筋(きょくじょうきん)という肩関節を固定する上で重要な役目を果たす筋肉の損傷が
原因のようでした。

少し専門的な説明になりますが、棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょくかきん)
肩甲下筋(けんこうかきん)・小円筋(しょうえんきん)という4つの筋肉を合わせて
回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)と呼ばれており、骨の形状だけでは不安定な肩関節を肩甲骨に引きつけて、固定する役割を果たしています。よく肩のインナーマッスルという呼び方もされます。

肩甲骨 - コピー

なかでも棘上筋は、重い腕を吊り下げる役目をしているので、常に重力に対して働いています。
年を重ねて筋肉が弱くなってくると、とくにスポーツなどをしていなくても、肩の痛みが出ることもあります。40肩、50肩と似た症状で腱板損傷と呼ばれるもので、40肩、50肩と混同されやすいので、しっかり鑑別してもらうことが必要です。

オフィスワーク・事務仕事でコンピューターの前に長時間座り、仕事をする人たちに加え、子育て中のお母さん達も、慢性的な肩の痛みに悩んでいる方が多いですね。

週末などに、サークルや仲間で運動をする機会があっても、ガチガチに固まった肩と首で、
上半身を使うスポーツをするのはその症状を悪化させることにもなりかねません。
せっかくの楽しみが身体の負担を増すことにもなりかねないので、注意が必要です。

肩の痛みで来院される方の治療としては、まずは痛みを取っていくことから始まります。
そして、ある程度痛みが治まってきたら、痛みの再発を予防するために、肩まわりの筋肉を鍛えたり、
肩の使い方(フォーム)を矯正したりしていきます。

部活などでスポーツをされている方については、実際の動きやフォームを見て、肩本来の正しい動かし方で運動できるよう、テーピングを使ったり、肩の上げる角度や身体の捻り方を変えたりして、今後痛みにつながるような摩擦や衝突がおこらないように改善していきます。

身体本来の関節運動による正しいフォームというのは、無理がなく美しいフォームであると言われます。
正しいフォームで怪我のない競技生活を送る為のお手伝いが出来ればと思っています。

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カテゴリー:スポーツ外傷・障害, 五十肩