院長の診察日記

2015.2.9.mon
ひそかに隠れている大きな病気

先日、「背中が痛い」といって当院を訪れた患者さんがいらっしゃいました。
症状は「二日前から右肩甲骨の辺りの痛みがあり、日に日に痛みが増している」というものでした。
パソコンを使うデスクワークという仕事柄、よく肩が凝るらしく、今回も肩の凝りによる筋肉の痛みだと思ったそうです。

ピリピリしたかなり強い痛みを訴えていたので、痛みの場所を触診し確認したところ、痛みの場所が右側だけに偏っており、さらにはばらつきがありました。

OL

肩こりによる筋肉疲労の場合は、背中の僧帽筋に沿って硬結や圧痛を認めることが多く、痛み方もピリピリと痛むのではなく鈍痛である場合がほとんどです。
症状から判断しても、明らかに肩こりではないだろうと思いました。

そこでまず痛みを軽くするため超音波を患部に当てる施術を行いました。超音波は、マッサージでは刺激しきれない部分(関節、深部筋肉)へのアプローチができ、腫れやむくみの解消、関節痛や肉ばなれなどに効果を発揮します。

さて、今回の患者さんの症状の特徴は…

片側だけに生じる痛み
ピリピリとした痛む
痛みが日に日に増す

というものでした。
この3つの症状がある場合、「帯状疱疹」である可能性が高いので、後日痛みが増すようならペインクリニックか皮膚科に行くようおススメしました。

ところで「帯状疱疹」とはどんな病気か知っていますか?
「帯状疱疹」とは、子どもの頃に大抵の人が罹患(りかん)している「水ぼうそう」と同じ水痘ウイルスが原因で起こる病気です。
小さい時に発症した水ぼうそうは、約1週間ほどで回復しますが、ウイルスそのものは大人になってもそのまま体の中に潜伏しているのです。

大人になり、疲労やストレスで免疫力が低下した時にその潜伏していたウイルスが体の中で悪さをし始めます。暴れだしたウイルスは、神経に入り神経痛を発症させます。更には神経節を出て皮膚に水ぶくれをつくります。この水ぶくれが神経に沿って帯状にできるので「帯状疱疹」と呼ばれています。

免疫力が低下する理由は、「ストレス・疲労・病気・手術・免疫抑制薬の使用・高齢化」などがありますが、働き盛りの年齢の方であれば、ストレスや過労が一番の要因となるでしょう。

一般的には皮膚に発疹が出ていない限り、「帯状疱疹」と診断されることは少ないのですが、実は皮膚に発疹が出る前から、かなり強い痛みを訴える方も多くいらっしゃいます。
帯状疱疹は早期発見、早期治療が必要で、対応が遅れると入院することもありますし、帯状疱疹神経痛として根治が難しい神経痛が残ってしまう可能性もあります。

今回いらした患者さんも次の日、麻酔科に行ったところ「帯状疱疹」と診断されたそうです。発疹が出る前に気づいたので、早期の治療ができ1週間ほどで回復したとの報告をうけました。

背中が痛い、わき腹が痛いとなれば、大抵の方は筋肉か関節の痛みを疑い、整骨院や整形外科を受診すると思いますが、実は大きな病気が隠されている場合もあります。
心筋梗塞の場合も肩甲骨辺りに痛みがおこることがありますので、注意が必要です。

こながや整骨院では、そのような病気の診断、治療を行うことはできませんが、病気の可能性があることは判断することができます。体のどこかに痛みが生じることがあったら、我慢せず、まずは来院してみてくださいね。





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こながや整骨院では、お一人お一人の症状に合わせた施術を行っております。
少しでも体に痛みが生じたり、不調がある場合は、お一人で悩まずにお気軽にお問合せくださいね。

静岡の整骨院・整体・交通事故治療院
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カテゴリー:保険施術, 神経痛