院長の診察日記

2014.11.25.tue
しゃがめない子供

先日、サッカーをやっている男の子が「足首が硬く、しゃがめない」ので見てほしいと来院されました。
最近の子供は身体が硬いとか和式便所が無くなってきたので、しっかりしゃがむことができない子が多いとよく聞きます。
当院でも捻挫した子供の治療で足首の可動域を検査してみると硬くて、しゃがんでごらんと言うとしゃがめないという子を何回か施術したことがありました。

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サッカーをしていて足首が硬いというのは確かに不利だと思いますが、ヨーロッパや南米に和式便所があるかというと…どうなんでしょう?
メッシやネイマール、Cロナウドが本当に足首が軟らかく問題なくしゃがめるかどうかは検査してみないとわからないので何とも言えませんが…

ともかく、しゃがめない子供の施術は足首だけを操作しても意味がありません。
しゃがむという動作は腰から股関節、膝関節、足関節という下半身すべての関節が連動して行う動作ですので、骨盤矯正や殿筋・股関節関連筋群、ハムストリング、大腿四頭筋、前脛骨筋など主な役割を担う筋肉のストレッチと調整をしなくてはなりません。
その後、しゃがむという動作を忘れてしまった脳・神経にしゃがむという動作を覚えさせなくてはなりません。ですから動作訓練というのも大切になります。

当院での施術と自宅での毎日のストレッチを何回か続けて1カ月弱、このしゃがめないと来院された男の子もかなり深くまでしゃがめるようになり、下半身の柔軟性もだいぶ回復してきました。

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最近のスポーツクラブではお子さんのトレーニングもかなり専門的になり、レベルの高いことをしている選手もいると思います。それに伴い成長期の身体にはかなり疲労や筋緊張が残ることも多いようです。しっかりしたケアをしていかなくてはかたい筋肉が原因で怪我や傷害を招いてしまうこともあります。

ぜひ、心配な症状がありましたら一度ご相談ください。

カテゴリー:スポーツ外傷・障害, 子どもの怪我

2014.9.29.mon
子供の寝違え

これまで私は「子供の寝違え」ということを聞いたことがありませんでした。

しかしながら先日、4歳の我が子が「首が痛い」と寝違えのような症状を訴え、起床時に泣いたため、びっくりしました。確かに首を横に倒したり、回したり、上を向いたりできないほど痛みも強く、よく見ると首が曲がっているではありませんか・・・

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普段はとんでもない寝相で寝ていても全然大丈夫なのに、今朝はどうしたんだろうとさすがに心配になりました。斜角筋や胸鎖乳突筋あたりが硬く、特に伸展痛が強く、神経症状や脈拍などに異常は無さそうでした。
首が痛いという以外はいつも通り元気な娘だったので、まさにこれは寝違えだろうと推測しましたが、子供の寝違えは聞いたことがなかったので少し調べてみました。すると「環軸椎回旋位固定」という症状がまさに当てはまりました。

「環軸椎回旋位固定」は「環軸椎回旋亜脱臼」とか「環軸椎回旋転位」とも呼ばれ、幼児期から学童期にかけて起こりやすい症状で、首を傾げ、回旋させる独特のポジションをとり、痛みのために首を動かされることを非常に嫌がります。原因はまだ完全に解明されてはいませんが、軽微な外傷や上気道感染に続発して起こることが多いようです。

子供の場合、軸椎の歯突起の形状が未成熟であり、さらに周囲の組織が柔らかいので亜脱臼しやすい状態にあることも原因のひとつと考えられます。また、10日くらいで自然に治る場合がほとんどだということでしたので、まずはひと安心という感じでした。

一応、子供の為マッサージや矯正もしづらいので、軽い牽引と無理に動かさないようにテーピングで様子を見る事にしました。症状自体は一週間くらいでほとんど治まり、その間もテーピングが安心感をもたらしてくれたようで、子供としては知らず知らずのうちに良くなったという感じでした。

しかし、お子さんが急に「首が痛い」「動かせない」となると親は慌てますよね。
もそうでしたが、今回は子供から寝違えならぬ「環軸椎回旋位固定」というものを教わることになりました。

もしお子さんが寝違えのような症状を訴えたら、お気軽にご相談ください。
適切適当なアドバイスができる事と思います。

2014-02-17 14.08.57 - コピー

カテゴリー:子どもの怪我

2014.9.22.mon
子どもの肘痛・腕痛(肘内障)

子供の手を引っぱった際、お子さんが突然腕を痛がり、動かさなくなったことはありませんか?

「肘内症」という症状で、突然腕を痛がったり、動かさなくなったり、腕を抱えて泣いたりということがよく起こります。
これは子供の関節(骨)がまだ出来上がっていないことによる肘の脱臼のような症状です。前腕の橈骨という骨の上端(骨頭)が出来上がっていない為、その部分を止めている靭帯から外れやすく、亜脱臼のような状態になり、あまりの痛さで動かせなくなってしまうのです。

親としては子供が腕を動かせないとなると心配になるので、すぐに子供を連れて救急病院や整形外科に駆け込んでしまいますね。
整形外科の先生ならすぐになおしてくれると思いますが、救急病院しか開いていない時間帯に、担当が他の科の先生だったりすると、診察はしてくれるものの、はめ方(整復法)がわからない場合がほとんどです。
痛み止めの薬をもらって帰るだけで、結局のところ症状を一晩持ち越して、翌日に改めて他の病院に行くことになってしまいますね。

こんなときには、迷わずにうちにご連絡ください。
こういった肘内障の整復などは、私たちがいちばん最初に習う整復法で、まさしく私たちの専門分野です。
最近の若いお母さんはご存知ないかもしれないですが、接骨院、整骨院の一昔前の呼び方は「ほねつぎ」でした。国家資格としては柔道整復師といいますが、こういった修復はまさしく「ほねつぎ」の守備範囲と言えるでしょう。

関節が出来上がる6歳くらいには、ほとんど起きなくなるとは思いますが、あなたのお子さんが肘辺りを痛がって動かさないような時はぜひご連絡ください。

お子さんに怖がられないように、やさしい笑顔でお待ちしてます。

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