院長の診察日記

2013.10.28.mon
ギックリ腰(急性腰痛)の増える季節

最近の新規患者様の傾向で腰痛を訴えて来院される方が増えています。
特にぎっくり腰急性腰痛)の患者様が多いようです。

今の季節、熱帯夜続きだった夏から一転、明け方が涼しくなりますよね。涼しいを通りこしてけっこう冷える日もあります。当然、体も冷えます。身体が冷えると筋肉が固くなるのです。それで、朝、顔を洗おうとして前屈みになるとか、靴下を履こうとして前屈みになるとか、そうしたときに、筋肉にまだその動作の準備できていない状態で動かそうとするから、ピキッとなってしまうわけです。

もともと疲労が積み重なっていて「そろそろ危険だよ」っていう状態のときに、そういう動作がキッカケになることがほとんどです。
医学的に見て、ギックリ腰になった時に腰の筋肉がどういう状態なのかというと「過度な緊張状態」にあると言えます。「これ以上は無理」という体からの拒否反応ですね。これ以上疲れを溜め込むことができません!と、体が悲痛な叫び声をあげていると思ってください。
だから、朝、起きて顔を洗おうとして前屈みになったのが悪いのではなく、もともと既に積み重ねられた疲労があって、その動作がキッカケになっただけなのです。

人が重い物を持とうとするときに「ヨイショ」と声に出したりするのは、体に「今から重い物を持ち上げるよ」と言い聞かせて、前もって準備をするようなものです。事前に心構えができているから、そういうときには重い物を持ち上げても、ギックリ腰にはなりにくいものです。
ところが、不意討ちには弱い……くしゃみなどのとっさの動作や何気なく靴を履く動作など、油断しているときにギクっとなりやすいのです。
でもそれは、その動作が悪いのではなく、あくまでキッカケに過ぎません。やはり、もともと積み重なった疲労とか、冷えとか、歪みとか、そういう、腰回りの筋肉に原因となる下地があっての症状なのです。ですから、下地を治さないと癖になるのです。

また、ギックリ腰は癖になるとよく言いますよね。癖になるのは、根本からきちんと治していないところに原因があるのです。
痛みが無くなる時期と体が完全に治る時期とには、実はタイムラグがあります。ところが皆さん、痛みが引いたらそれで「良し」として、日常生活に戻ってしまいます。そうすると、痛みを庇う動作が残ったまま日常生活を続けることになり、結局それが歪みの原因になり、また新しい疲労につながって、疲労の蓄積から再びギックリ腰になる、という悪循環におちいるのです。
そこをしっかりケアしてあげないと慢性的な腰痛につながり、治りきらない状態が続くことで「癖になる」。

では、ギックリ腰になってしまった時、その瞬間はどうしたら良いでしょうか。病院に行くにしても、次の動作をするにしても、動かないわけにはいきません。程度にもよりますが、本当にひどいときは何をしてもなかなかすぐには痛みは治りません。病院や診療所に行っても、どうにもならないのがギックリ腰です。
ギックリ腰は、始めの3日間は強い痛みがありますが、その後1週間ぐらいで、だいたい動けるようになります。
ですから、本当に動けないほどの痛みがある時は、無理をして動かない方がいいと思います。家に居て、消炎鎮痛剤を使うなりして、安静にしてもらった方が無難です。

骨盤矯正などの施術をして治る場合もありますが、まれにひどくなる場合もあるので、お勧めしません。一か八かで施術をするよりは、恐らく3日間ほど安静にしていれば動けるようになるのですから、その方が良いと思います。

明日試合があるとか、発表会に出なければいけないとか、そのような急を要する場合には、「施術してみましょうか!?」という選択肢をご提案することもありますが、そうでなければ、3日間ほど安静に過ごしてもらうのが一番だと思います。
しかし、ここで忘れないでいただきたいのは、3日経って痛みが引いたからといって「治ったわけでない」ということです。

先程も申し上げましたが、だいたい1週間で動けるようになります。でも、その後3週間ぐらいかけて通院しながら、腰回りの違和感が無くなるまで、しっかり「治して」いただきたいのです。また、他人の助けを借りなくても動ける程度の痛みでしたら、ぜひご来院をお勧めします!
当院には「ぎっくり腰に特化した施術」がありますので、ある程度動けるような痛みの患者様にはかなりの改善が期待できます。

以前、鏡を見て自分の腰が曲がっているのに驚き、慌てて来院された患者さまがおられました。お話を伺うと、以前ギックリ腰になったけれど、既に痛みはなく、今は何ともないとおっしゃいます。この患者さまは、“疼痛緩和姿勢”つまり、ギックリ腰の痛みを庇う動作が身についてしまって、痛みが引いてからも曲がった姿勢のままで日常生活に戻っているのです。
曲がったままでいるから、それが癖になり、体に必要以上の負担をかけ、またギックリ腰がぶり返すことになります。つまり、曲がった姿勢を正しい状態に治してあげれば、癖になるのを防止できるのです。

いずれにしても、ギックリ腰になった後のケアを、おろそかにしないでくださいね。
こながや整骨院は、ギックリ腰の一時的な対処だけでなく、根本的な治療をお手伝いします。
動けるようになってからの治療に、是非いらしてください。

2013-06-13 14.00.23[400]

カテゴリー:ぎっくり腰