院長の診察日記

2014.9.29.mon
子供の寝違え

これまで私は「子供の寝違え」ということを聞いたことがありませんでした。

しかしながら先日、4歳の我が子が「首が痛い」と寝違えのような症状を訴え、起床時に泣いたため、びっくりしました。確かに首を横に倒したり、回したり、上を向いたりできないほど痛みも強く、よく見ると首が曲がっているではありませんか・・・

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普段はとんでもない寝相で寝ていても全然大丈夫なのに、今朝はどうしたんだろうとさすがに心配になりました。斜角筋や胸鎖乳突筋あたりが硬く、特に伸展痛が強く、神経症状や脈拍などに異常は無さそうでした。
首が痛いという以外はいつも通り元気な娘だったので、まさにこれは寝違えだろうと推測しましたが、子供の寝違えは聞いたことがなかったので少し調べてみました。すると「環軸椎回旋位固定」という症状がまさに当てはまりました。

「環軸椎回旋位固定」は「環軸椎回旋亜脱臼」とか「環軸椎回旋転位」とも呼ばれ、幼児期から学童期にかけて起こりやすい症状で、首を傾げ、回旋させる独特のポジションをとり、痛みのために首を動かされることを非常に嫌がります。原因はまだ完全に解明されてはいませんが、軽微な外傷や上気道感染に続発して起こることが多いようです。

子供の場合、軸椎の歯突起の形状が未成熟であり、さらに周囲の組織が柔らかいので亜脱臼しやすい状態にあることも原因のひとつと考えられます。また、10日くらいで自然に治る場合がほとんどだということでしたので、まずはひと安心という感じでした。

一応、子供の為マッサージや矯正もしづらいので、軽い牽引と無理に動かさないようにテーピングで様子を見る事にしました。症状自体は一週間くらいでほとんど治まり、その間もテーピングが安心感をもたらしてくれたようで、子供としては知らず知らずのうちに良くなったという感じでした。

しかし、お子さんが急に「首が痛い」「動かせない」となると親は慌てますよね。
もそうでしたが、今回は子供から寝違えならぬ「環軸椎回旋位固定」というものを教わることになりました。

もしお子さんが寝違えのような症状を訴えたら、お気軽にご相談ください。
適切適当なアドバイスができる事と思います。

2014-02-17 14.08.57 - コピー

カテゴリー:子どもの怪我