院長の診察日記

2013.11.18.mon
ヨガによる怪我

最近、ヨガを始め間もなく体を痛めてしまった患者様がいらっしゃいました。
カルチャーセンターなどでも気軽に通えることからヨガをやっている方は多いと思いますが、気をつけないと怪我につながる場合がいくつかあります。

ヨガは日常ではとらない体勢をすることが多いですよね。普段運動していない体を無理に動かす事によって体に負担がかかってしまいます。
がんばろうと張り切って、最初から無理をしすぎて、体を痛めてしまう……。そんなケースがここ最近増えてきています。

実際、ヨガそのものは悪くありません。問題は無理しすぎる事です。
そういう患者様には「ヨガの先生と同じポーズと取ろうと思っても絶対にできませんから、同じ体勢を取ろうとしないでください。自分なりにできるところまでで止めてください」とアドバイスをします。他にも、ヨガの前の準備運動として日常生活の中でのストレッチをお勧めしています。いくら体に良いとはいっても、週に1回では足りないですよね。毎日続けていって、初めてヨガの効果が表れるものだと思います。

また、特に女性は普段からあぐらをかくことが少ないので、より痛めやすいと考えられます。
普段からほとんどあぐらをかくことがない女性が、急にあぐらをかいて、股関節周り“内転筋”や“縫工筋”など太腿の内側を痛めやすいようです。
健康のために始めたヨガで怪我をするというのも皮肉な話ですが、週に1回いきなりあぐらをかいても、体を痛めるだけになってしまいます。そうならないように、例えば、毎日のお風呂上がりにちょっとずつ股関節を柔らかくするような体操をしてみるとか、日常的な準備運動をしていただくことが必要ですね。

それから、体が痛むときには動かさない方が無難です。痛いときに、思わず揉んだり叩いたりしてしまう方が多いと思いますが、実はそれは逆効果。むしろ、痛いところを押したり揉んだりすることで、炎症がひどくなることもあります。
炎症が起きていれば痛いですから、患部そのものを刺激せず関連した部分(起始や停止)を緩めてあげると、痛い患部が楽になります。

少し話は変わりますが、ヨガの中でも一番良いと思うのが呼吸法です。
自律神経というのは、自分でコントロールできないから『自律神経』と言うのですが、その自律神経に自分から働きかけられる方法があるとしたら、呼吸です。
その呼吸を整える、つまり、正しい呼吸をするということは、おそらく自律神経にとても良い作用をもたらすと思います。そういう意味では、あぐらはできなくてもいいから、呼吸法だけ、ヨガでやってもらうのも良いかも知れませんね。

自律神経と言えば、ちょうど今時分のような季節の変わり目になると、自律神経失調症の方が増えるようです。こながや整骨院は、自律神経失調症の治療も行なっています。自律神経失調症の方には、肩甲骨の間のところの緊張を弛めて刺激してあげるのが一番です。肩甲骨がちゃんと開いていないと、呼吸が浅くなってしまうからです。
あと、肩甲骨の硬さは姿勢にも影響します。肩甲骨が硬いとどうしても猫背になってしまいます。

かつて、師匠からよく「自律神経系とか血圧とか、そういう、自分でコントロールできないものの不調の場合は、とにかく背中を緩めなさい」と言われました。『健康カーブ』というのですが、そこに、自律神経のツボもたくさんあるんです。胸椎の矯正なども効果があります。
機械で施術する場合は、マイクロ波治療器を使うと、かなり体の深くまで温めることができるので、背中への施療はかなり効果があると思います。

こながや整骨院は、自律神経失調症や更年期障害などの不定愁訴でお悩みの方に、整体コースをオススメしています。
お気軽にご相談ください。

DSC_1475[400]

カテゴリー:スポーツ外傷・障害

2013.11.5.tue
市民ランナーに多い膝痛(長脛靭帯炎)

秋から冬にかけて、マラソンシーズンに入りますね。
11月から全国各地でマラソン大会が始まりますが、今シーズンの駿府マラソンは2014年3月2日に開催されます。楽しみです。

駿府マラソンHPはこちら→http://www.shizuoka-marathon.com/

マラソンを始めて間もない方によく起こるのが膝の痛みです。
一般的な膝の痛みは内側に出ることが多いのですが、ランナーに特徴的なのは、膝の外側に痛みが出ることです。
ランナーの膝に痛みが起こるのはなぜでしょうか?

基本的に、人が走るときには外側の筋肉を主に使います。外側の筋肉には“筋膜張筋”や“腸脛靭帯”がありますが、これらが疲れたり緊張が強くなることで痛みが出やすくなるのです。“筋膜張筋”や“腸脛靭帯”などを痛めてしまうのには、走るフォームが関係しています。走るときに左右のブレがあると膝を痛める原因につながります。

またフォームは良くても、走る道路に傾斜がある場合も考えられます。まっすぐに見える道路でも、少なかならず傾斜があるものです。水はけを良くするために両端が下がっているのもそうです。そういう場所をずっと走っていると、例えば、左側がほんのちょっと下がっているだけでも、一歩を踏み出すたびに左側ばかりに体重がのしかかり、足への負担になっているのです。
マラソンで走る距離を考えると、それが何万歩、何十万歩になりますから、影響の大きさが想像できますね。
そのことを認識しないで走り続けていると、今度は足首に痛みが出てきますが、一般の人は、そういうことは気にしないでひたすら走りますから、気づかないうちに足を痛めてしまうことがあります。

本当は、硬いアスファルトで走らないのが一番いいんです。でも、一般ランナーにとって、アスファルトではない、長距離を走れる場所というのは、なかなかありませんよね。陸上トラックを貸りられれば話は別ですが。
道路の傾斜対策としては、一定距離あるいは一定時間ごとに逆回りで走るようにすると、少しは左右のバランスが取れていいのではないでしょうか?走るフォームが原因の人には、靴の中敷き指導というのを行っています。

靴の底を見るとだいたい判るのですが、踵の外側が減っている人は“腸脛靭帯”を痛めやすい傾向があります。
左側の踵の外側ばかり減っているとか、極端な靴底の減り方を見ると、足のどこに負担が掛かりやすいかが判ります。そこを中敷きで少し調整してあげると負担が軽減されるのです。外側に負担がかかっている人なら、外側をすこし上げてあげます。そうすると、着地するときの足の着き方が変わり、それまで大きな衝撃が加わっていた部分が楽になるのです。

中敷き指導と併せて、テーピング指導をする場合もあります。走る時の足の使い方を少し矯正するようなテーピングをする場合もありますし、テープを捲くことで着地するときの接地角度を変える効果を期待する場合もあります。テーピングは、より自然で正しいフォームに近づけることが目的です。

スポーツ整体では、マラソン大会で少しでも良い結果を出すために、目標レースの2か月ぐらい前から、しっかりコミュニケーションをとりながら、痛いところ以外も含めた全身の調整をしていきます。そうすると、レースが終わった後の疲労が軽減され、体に残るダメージも少なくなります。また、次のレースに向けて、大会後のメンテナンスも大切です。

こながや整骨院は、目標に向かって頑張っているマラソンランナーを応援しています。

DSC_0508[400]

カテゴリー:スポーツ外傷・障害

2013.9.2.mon
半月板は傷ついていても無症状な人が多いんです

サッカー選手の長友佑都さんが今年4月、左膝半月板を損傷し一時は今季絶望と伝えられました。手術も不可避だと言われましたが、リハビリのみで見事復帰。膝を支える筋力をバランスよくしっかりつけるリハビリが功を奏したのでしょう。

ところで、膝にある半月板とはどんな役割を果たしているか知っていますか?半月板は膝内部の内側と外側にあり、半円形ずつ1対の三日月状の板が合わさって円環状になっている軟骨組織で、ジャンプや屈伸などの膝関節の動きがスムーズに行えるようクッション的な役割を果たしています。

半月板が損傷するほとんどの場合は、スポーツなどで膝関節をひねり、水平方向にストレスが加わった時です。サッカーやラグビーでタックルされた時、水泳の平泳ぎで繰り返しひねりが加わった時、重量挙げでバランスを崩した時、又はランニングなどの単純な動作でも半月板が損傷することがあります。また、高齢者の方は加齢に伴い半月板が磨耗し傷んでくるという場合が多いです。

しかしこの半月板という部位、3分の1弱は完全な軟骨組織ではなく血管や知覚神経がほとんどありません。髪の毛や爪などの知覚神経がない部分を切っても痛くないですよね。それと同様に半月板を損傷をしても痛みを伴うことがほとんどないのです。つまり、半月板が損傷し膝に疼痛、水腫、腫脹などの症状が表れた場合、原因は半月板自体にあると思われがちですが本来半月板は痛みを伴わない為、原因は周囲の筋肉や靭帯の問題だと考えられます。

しかし、半月板が過度な加重などにより真っ二つに断裂した時などは自然に再生することは望めない為、必ず手術が必要となります。手術をすれば当然復帰までに時間がかかり、その後のリハビリなどにも相当な時間を要することとなるでしょう。スポーツ選手や部活をしている学生さんにとってそれはとても厳しい状況になってしまいますね。

半月板を痛めないようにする為には、正しいフォームで運動することがとても重要になります。イチロー選手など一流と呼ばれるスポーツ選手は、人間の体の仕組みにとても詳しくまた自己管理に長けていると聞きます。フォームを整える事が如何に大切かということを知っている選手とそうでない選手とでは大きな違いが出てくるのは、当然といえるでしょう。

こながや整骨院では、スポーツトレーナーとしての経験・知識をふまえ、しっかりと体のケアをしながら様々なアドバイスをしています。そうした事を日々のトレーニングの中に少しずつ加えていくことによって記録や成果が飛躍的に伸びたり、日常の動作がとても楽になっていくことでしょう。

ちょっとした怪我だから大丈夫だろう、とか、少し痛むけど我慢できる、などと、痛みに向き合わずそのままにしておくと後々大きな怪我や故障に繋がってしまいます。我慢は禁物ですよ!ぜひお気軽にこながや整骨院にお問合せくださいね。

img_2_b

カテゴリー:スポーツ外傷・障害

5 / 5