院長の診察日記

2014.11.10.mon
全治2週間の診断書

不幸にも事故にあってしまいケガをしてしまった場合、病院や医療機関で診断を受け、診断書を書いてもらい、警察に書類を提出すると、人身事故としての扱いになり、自賠責保険や任意保険が使えるようになります。しかし、医療機関の診断書がなくては人身事故扱いにはならず、保険での治療が受けられなくなってしまいます。

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また、その際の診断書には、全治2週間と書かれているものの、実際は3~4ヶ月くらい回復まではかかることも多く、整形外科から転院してきた患者さんから「そんなに早く治るわけがない」と言われたことがあります。私もなんで短い期間しか治療期間を想定しないのだろうと思ったことがあります。

医者的な立場では、そこには「お決まり」というか「暗黙の了解」があるようで、それ以上の期間で診断書を書いてしまうと、現場検証やら警察の手続きが複雑になったり、加害者側の罰則が大きくなったりするから、と聞いたことがあります。

交通事故

この診断書もあくまでも見込みで作られる書類ですし、お医者さん自身も2週間で治癒にはならないとわかっている場合も多いと思います。ですから、その2週間にとらわれることなく、2週間が過ぎてもまだ痛みやしびれなどの症状が続くような場合には、しっかりよくなるまで完治を目指して通院することをオススメします。

カテゴリー:自賠責保険について

2014.11.4.tue
交通事故の加害者の治療(自損事故)

交通事故でケガをするのは車をぶつけられた側とは限りません。
もちろんぶつけた側の加害者もケガをすることはありますし、過失割合によっては被害者と加害者と決めるのが難しいこともあります。
事故の加害者は、被害者の方への罪の意識からか、たとえケガをしていたとしても、自分の治療については後回しにしてしまう場合も多いかもしれません。気持ちはとてもわかるのですが、治療のことを考えると事故直後の処置がとても大切なんです。

車事故

交通事故にあわれた日から時間が経ってしまうと、事故と痛みとの因果関係が認められなくなったり、示談をどんどん進められてしまったりすることもあり、保険による治療ができにくくなってしまいます。
また、時間が経過してから治療に来られると、もともとの痛みをかばった動作による痛みが重なり、症状自体がつかみにくくなってしまうこともあります。ご自身の身体のためにも、やはり早めに来院されて治療を受けられることをお勧めします。

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加害者の方に多い症状としては、事故による衝撃の直前に身構えることができるので、むち打ちなどは比較的軽くすむ傾向があるように思いますが、体全体をかなり緊張させた状態がそのまま残り、腰・背中・肩など全体の筋緊張が強く、全身の倦怠感や頭痛やめまいなど自律神経失調症のような症状が出てしまうこともあります。こうなってしまうと精神的な疲労やストレスも加わり、つらさが倍増してしまいますよね。こうなる前にぜひ治療をしっかり受けてください。

体調不良

治療については、まずはさなか全体の緊張を解きほぐすように揉みほぐしや軽めのストレッチ、温める治療からスタートすることになります。治療費については、加害者のケガも基本的には任意保険(人身傷害特約)で治療できるので負担金なしで治療が受けられます。また、場合によっては、健康保険で治療し、その負担金を保険会社が出してくれるというパターンもあります。詳しいことは保険会社か当院にご相談ください。

交通事故では被害者も加害者もどちらも痛みを抱えた患者さんですので、まずは自分の身体をしっかり治して、日常の生活を取り戻しましょう。

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カテゴリー:自賠責保険について

2014.10.24.fri
交通事故後の後遺障害に悩む方へ

不幸にも交通事故にあわれ、治療を受けたがある程度良くなったところで示談をしたが、
その後痛みがぶり返してきてしまうという方が結構いらっしゃいます。

交通事故

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自転車に乗っていて車との衝突事故に合われて、左わき腹、全身を地面に打ち付けてしまった方がいらっしゃいました。一年半の間は自賠責で治療費をカバーしてくれるということで病院に通院していたのですが、ある日120万円の上限になったということで、これ以上治療費をお支払いできませんと言われてしまいました。任意保険に切り替えようとしたところ、保険会社からは治療費を出してもらうことができませんでした。そこで後遺障害の一番下の等級を申請したのですが、生活費のこともあって仕事に復帰してしまったために治る見込みがあると判断されてしまったためか、申請が通りませんでした。
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今は会社に復帰されて仕事をしているものの、天候や気圧の変化がある時には、
今でも全身の痛み、しびれ、頭痛、肩こり、倦怠感などの症状が出てきてしまい、
そんな状態の時にはお仕事も休まざるを得ないようです。
現状は特に病院には通われていないということでした。

お話を聞いていて、私はもしかすると「脳脊髄液減少症」かな、と思いました。事故や衝撃で脊髄に傷が入ってしまい、脊髄液が漏れ出して減少してしまうという症状で、気圧の変化に敏感になって体調が左右されやすくなるものです。交通事故が原因の方が多いですが、体育の授業でとび箱からの落下、部活での怪我や衝突などが原因で起きてしまう場合もあります。

これは整形外科や脳神経外科で診察してもらわないと、診断がつかないもので、脊髄液が漏れだしてしまう穴をふさぐ治療をする必要があります。基本的には脳神経外科での治療になりますので、この方の場合はもう一度病院に行かれる方がいいと思います。

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交通事故での示談交渉については、その方面に強い弁護士さんに入ってもらうと安心です。示談金も1.5倍くらいになるという例を聞いたこともあります。もし弁護士さんに知り合いがいらっしゃらない場合には、ご紹介することもできますので、気軽にご相談くださいね。

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交通事故にあわれ、整形外科を受診後、大したことがないからそのまま示談。としてしまうと、その後、痛みが出てきても自己費用で治療するしかないということになります。交通事故の怪我はしばらくしてから痛みが出るということもありますので、よく考え、よく相談して、保険会社さんともよく話をして納得のできる結論出して下さいね。

カテゴリー:自賠責保険について